2018年8月2日木曜日

CSR(企業の社会的責任)の進化形、SDGsとは

SDGsとは何か

2015年9月、国連サミットで「持続可能な開発目標(SDGs)」が採択された。

SDGsは、先進国を含むすべての国により良き将来を実現するために目指すべきことを17の目標(貧困の撲滅、万人への質の高い教育、水・衛生の利用可能性、気候変動への対応など)にまとめたものである。


SDGs導入例

このSDGsをCSR(企業の社会的責任)戦略に組み込む企業が徐々に増えている。

例えば味の素は、ガーナで乳幼児が栄養不足になり死亡することが多いという課題に対し、栄養価の高い離乳食用サプリメントを、ガーナ大学と共同で開発している。

また洗剤・石鹸等を製造するサラヤ(大阪市)は、「100万人の手洗いプロジェクト」と称して、ウガンダで下痢性疾患等の予防に向けた手洗いの習慣の普及を進めている。


吉本興業は、「2030年を笑顔であふれる世界に!」というスローガンのもと、国連とのコラボ企画として、SDGsについて芸人らが語るPR動画を公開したり、吉本興業が主催する映画祭への来場者を対象に国連広報センター長がSDGsの紹介を進めている。

マンダムや武田薬品なども、SDGsの関連付けながら自社のCSR活動を策定・推進している。

東京大学は、2017年7月に総長(学長)を中心に「未来社会協創推進本部」を設置し、産業界との連携においてSDGsを活用することを目標に掲げている。

金沢工業大学が日本企業によるSDGsビジネスの先行事例を選出する「SDGsビジネスアワード(2017年3月)」を開催するなど、産学連携に向けた動きもみられる。


SDGsはコトラーの「マーケティング3.0」に通底

SDGsは、マーケティングの泰斗として知られるフィリップ・コトラーが提唱した「マーケティング3.0」やCSV(共有価値創造)経営と通底するものがある。

開発途上国を対象とした取り組みは、かねてからみられたが、今後は、先進国も含め、SDGsの視点を盛り込んだ課題解決型ビジネス(SDGsビジネス)として普及することが考えられる。



参考資料:

マンダム:https://www.mandom.co.jp/csr/src/connectionto-sdgs.html

武田薬品:http://www.takeda.co.jp/csr/files/svr2017_jp_BasicPolicyonCSR.pdf