IoT(モノのインターネット)、ビッグデータ、AI(人工知能)、ロボットなど、近年、科学技術が目覚ましい発展を遂げている。
これらの最新技術を駆使して、仮想空間と現実空間を高度に融合させる社会は、「
ソサエティ5.0」と呼ばれ、にわかに注目されている。
ソサエティ5.0は、2016年1月に閣議決定された「第5期科学技術政策基本計画」で打ち出された概念である。
これまでの人類の社会構造(狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会)に続く5番目の新たな社会という意味で、この名がある。
ソサエティ5.0は、「超スマート社会」の実現を目指している。
例えば、防災については、人工衛星やドローン、地上の気象レーダー等が収集した情報を含むビッグデータをAIで解析し、災害時の安全な避難や迅速な救助などを可能にする。
ソサエティ5.0の推進は、日本がかかえる人手不足、生産性の低さ、物作り力の低下といった様々な問題の解決につながる可能性がある。
政府は、第5期科学技術基本計画における投資額は5年間で総額26兆円が見込まれており、重要なテーマに位置付けていることがうかがえる。
だが、ソサエティ5.0を担う人材の育成が全く追いついていない。ソサエティ5.0をかけ声倒れにしないためには、大学教育の改革等の大胆かつ迅速な政策転換が求められよう。