2015年7月6日月曜日

「~できる状態になる」って英語でなんて言う?

※ ~できる状態になる   be in a position to

【例文】
Should the company shake off the suspicion of window-dressing, it would be in a position to raise funds to improve its ailing finances.
もしその会社が粉飾決算の疑いを払拭(ふっしょく)すれば、財政難を改善するための資金集めができる状態になるだろう。

【ネイティブスピーカーの発音】


【だいじな表現】
shake off 払いのける 払拭(ふっしょく)する
window-dressing 粉飾決算
raise funds 資金を集める
ailing finances=financial woes  財政難

【かいせつ】
Should the company shake off the suspicion of window-dressing:もしその会社が粉飾決算の疑いを払拭(ふっしょく)すれば、
shouldは助動詞で文頭に来ているから疑問文になるはずと思った方が多いかもしれませんね。ですが、ここでは違う用法で使われています。

実は、この文章の前半部分をきちんと書くと、次のようになります。
If the company should shake off the suspicion of window-dressing, it would…
そうです。これは、If+主語+should+動詞の原形という仮定法未来の文章だったのです。この場合、単なるifで始まるよりも、生じる確率は低いことが念頭に置かれています。
ただし、ifは省略可能で、その場合は、shouldが文頭に来ます。
特に生じる確率が低いことを強調したい場合には、「もし~なら」と訳すょりも、「万一~なら」と訳すほうがよいでしょう。

仮定法とは、Ifで始まり、「もし~なら、」という意味を表します。
※仮定法については【おまけ(↓)】で説明します。

companyは「会社」を意味するポピュラーな表現で、規模や内容を問わず使える単語です。
会社の規模などを明確に示す場合は、次のような表現があります。
                                     ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 



shake offは「振り払う・払いのける・追い払う」などの意味です。brush off, wipe out, dispelも同じような意味で使われます。

suspicion(s)「疑い・疑惑」。動詞はsuspect(疑う)、形容詞はsuspicious(怪しい)です。
また、suspicionの動詞、suspectは、名詞で使うこともあります。その場合の意味は「容疑者(ようぎしゃ)・注意人物」です。なお、日本語の「容疑者」という言葉は一般的な表現であり、刑法上は「被疑者(ひぎしゃ)」という用語が使われます。

ちなみに、「犯人」に関係する表現には、次のものがあります。
criminal(culprit) 犯罪者 prisoner 囚人(convict=con) inmate(在監者)
death-row convict 死刑囚
perpetrator 実行犯  instigator 教唆犯
accomplice  共犯者  cf. cohort(歩兵隊、仲間、相棒、共犯者)

それから、suspectによく似た単語にdoubt 「疑い」やquestion「疑問」があります。doubtの形容詞はdoubtful「疑わしい」、動詞はdoubt「疑う」で、questionの形容詞はquestionable「疑わしい、疑問に思う」、動詞はquestion「疑う、質問する」です。ちょっと紛らわしいですが、一緒に覚えておきましょう。

なお、suspect doubt も共に「疑う」という意味の単語ですが、そのニュアンスは大きく異なるので注意が必要です。
suspect が「(肯定的に)疑う」時に使われるのに対して、doubt は「(否定的に)疑う」という時に使われるのです。

(例文)
I suspect he knew the situation.
私は彼がその状況を知っていたのではないかと疑っている。(私は彼がその状況を知っていたのではないかと思っている)

I doubt if he knew the situation.
私は彼がその状況を知っていたかどうか疑っている。(私は彼がその状況を知らなかったのではないかと思っている)

window-dressingは、文字通り、「ショーウインドウを飾り付ける」という意味で使われることもありますが、ここでは「粉飾決算」という意味です! 

表向きはきれいに見せてもその裏にある汚い部分を隠すというニュアンスをもった表現です。だから、「きれいごと(美辞麗句)」や「外見を繕う」という場合もwindow-dressingを使うことがあります。
ただし、企業に関する文章では、まずは、「粉飾決算」という訳を想定するとよいかもしれません。

その他、「粉飾決算」には、account riggingという表現もありますよ。
riggingとは、不正な操作のことです。


it would be in a position to raise funds to improve its ailing finances:財政難を改善するための資金集めができる状態になるだろう。

it would be to ・・・ は「・・・することは~だろう」。
wouldは「~だろう」という意味の推量を表す助動詞です。

be in a position toは「~できる状態になる」。

positionは「位置・場所・地位・職・立場」など様々な意味で使われます。
例えばbe in a position of leadershipは「指導的立場にある」。
その他、「立場」を示す英語表現には、positon, stance, standpointなどがあります。 
また、身体の「姿勢」を示す場合は、postureを使います。

raise fundsは「資金を集める・資金を調達する」などの意味です。
raiseは「高める・育てる・持ち上げる」、fundは「資金・基金」などのいみです。
cf. fund power/fund ability「資金力」

improve は「改善する」。同義語として、ameliorate, better, mend, revampなどがあります。

ailing financesは「財政難」。financial woesとも言います。
ailingは「病んでいる・不安定な」という意味です。例えばailing companyは「経営難の企業」。
financeは「財政学・融資・財務」などを指します。financesと複数形の場合は「財源」という意味になります。

【おまけ】
仮定法には、①仮定法過去、②仮定法過去完了、③仮定法未来などがあります。

①仮定法過去(If+主語+動詞の過去形, 主語+助動詞の過去形+動詞の原形)は、現在の事実と異なることを表します。
 例)If I were an actress, I would perform with the famous actor.
      私が女優だったら、その有名俳優と共演できたのに。
   (女優ではないので、共演はできない)。

②仮定法過去完了(If+主語+過去完了, 主語+助動詞の過去形+have+動詞の過去分詞)は、過去の事実と異なることを表します。
 例)If I had had more money, I would have gone to the United States.
      もっとお金があれば、アメリカに行っていただろう。
   (お金がなかったので、アメリカにはいかなかった)。

③仮定法未来(If+主語+should(would), 主語+助動詞の過去形+動詞の原形)は、確率は低いが未来に起こりうることを想定する場合に用いる用法です。
 例)If I should win the lottery, I would travel around the world. 
 (もし宝くじが当たったら、世界一周旅行をするだろう)。

この場合、先にも述べたように、if を省略して、should を文頭に倒置することも可能です。




Thank you.

Have a nice day ! (^ ^)/~~~~


※ ブログランキングに参加中!
  よろしければ、応援クリック
  お願いしますm(__)m
   ↓ ↓ ↓ ↓ ↓



宮崎哲也著

『はじめての「マクロ・ミクロ経済学」1年生』
明日香出版社