※ 信憑性(しんぴょうせい) authenticity
It was very
difficult for the board of auditors to confirm the authenticity of the
director's remarks.
監査役会がその取締役の発言の信憑性を確認することは非常に難しかった。
【ネイティブスピーカーの発音】
【だいじな表現】
director 取締役
remark 発言
【かいせつ】
①It was very difficult
for the board of auditors to ~:監査役会が~することは非常に難しかった。
difficultは、「難しい・困難である」ことを示すポピュラーな表現です。
the board of auditors は「監査役会」。
一般に株式会社には、3つの機関[株主総会、取締役会、監査役会]があります。
・株主総会(general meeting of stockholders:
3つの機関のうち、会社の大きな方向性を決める最高意思決定機関で、会社のオーナーすなわち株主(stockholder)の集まり。
・取締役会(board of director):
プロとしての経営管理者の実務的な意思決定機関。
・監査役会(board of auditors):
代表取締役(representative director)をはじめ取締役ら(directors)によって適正に経営管理が行われているかをチェックする機関。
このように、株式会社では、3つの機関が独立しつつ、相互に役割分担をしながら、ある意味ではけん制し合う関係を作り、それが経営に安定感を与えるように工夫されています。
なお、会社のオーナー(株主)は経営の大きな方向性だけを決め、後は経営のプロ(経営者)に任せるべきという考え方を「所有と経営の分離(separation of
ownership from management)」と言います。バーリー&ミーンズ(米国の法学者Adolphe
A. Barle, Jr. と経済学者Gardiner C. Means)が提唱しました。
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なお、「所有と経営の分離」に似た考え方にジェームズ・バーナム(James Burnham,米国の思想家)が提唱した「経営者革命(managerial
revolution)」があります。これは、「もともと会社の所有者は株主だが、将来的に経営者が株主に代わって会社を支配するようになるだろう」という考え方です。
it is ~ for(of) +人+to…で、「人が…することは、~」となります。
見かけはitが主語ですが、実際の主語はfor 以下の部分です。
ここでは、It was very difficult for the board of auditors to…となっていますので、「監査役会が…することは非常に難しかった」となるわけです。
このようなitのことを形式主語と言います。主語は基本的に文の頭に来ますが、to以下が長くなる場合に形式主語が使われることがあります。
また、形式主語を使った場合、to以下の主語はtoの直前に置き、「for+人+to…」の順に並べます。
②confirm the authenticity
of the director's remarks:その取締役の発言の信憑性を確認する
confirmは「確認する」。
類似表現として、affirm,
ascertain, ensure, confirm、find outなどがあります。
authenticityは「信憑性・信頼性」
類似表現にauthority,
credibility, validityなどがあります。
director’s remarkは「取締役の発言」。
remarkは「発言」。comment, statement, wordも似たような意味で使われます。
宮崎哲也著
『はじめての「マクロ・ミクロ経済学」1年生』
明日香出版社