2015年3月6日金曜日

「蚊帳(かや)の外におかれる」って英語でなんて言う?

※ 蚊帳(かや) の外におかれる:be left out in the cold

【例文】
The auditor was not privy to the matter in question, but rather has been left out in the cold.
その監査役はその案件には関与せず、むしろ蚊帳の外におかれていた。

【だいじな表現】
be privy to〜 ~に(内々) 関与する
matter in question 案件 懸案
auditor 監査役

【ネイティブスピーカーの発音】
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【かいせつ】
① The auditor was not privy to the matter in question but rather:その監査役はその案件には関与しなかったというよりむしろ~だった

auditorは、「監査役」。監査役は、簡単に言えば取締役らがきちんと職務を全うしているかをチェックする人のことです。監査役の集まりは「監査役会(board of auditors)」と言い、株式会社の3つの機関の一つです。これについては、【おまけ】で解説していますので、ご覧ください。

be privy to~で「~に関与する・ひそかに知っている」。privyは「秘密などに通じた・関与した・内々の」などの意味です。be familiar with~やbe well versed in ~、あるいはbe at home in~にも、「~精通している」という意味がありますよ。
また「~に熟達している、~の名人である」と言いたい場合には、be adept at~を使うとよいでしょう。
例)She is adept at telling lies. 「彼女はうそつきの名人だ」
ちなみに「秘密裏に・裏で」という場合は、単語としては、secretly confidentiallyがありますし、熟語では behind the sceneという表現があります。さらに「こっそりと・袖の下で」はunder the tableと言います。

matter in questionは「案件・問題」。matterquestionもそれぞれ単独で「案件・問題」という意味で使われますが、ここでは特にin questionで、「係争中の、懸案となっている」という意味を表しています。
なお、「喫緊の課題」と言いたい場合には、an  urgent (and vital) task, a pressing matterという表現がぴったりです。

その他、「問題」を表す英語表現には、issue, problemなどがあります。
ちなみに、解決の道筋が見つからないような「難問」「謎=enigma」は、conundrumと言います。
なお、hot potatoも「厄介な問題・難題」という意味です! 焼きたての芋って熱くて扱いにくいですからね(笑)
同様の意味の表現としてa hard (tough)nut to crackもあります。nutは「木の実」、crackは、「割れる・ヒビが入る」などの意味です。解決しにくい問題を割れにくいナッツにたとえているわけです。

not A but rather Bで「AというよりむしろB」となります。
ここでは、Aの部分が「その案件に関与しなかった」、Bの部分には下記のとおり「蚊帳の外に置かれていた」が入りますね。


② has been left out in the cold:蚊帳の外におかれていた

left out in the coldは、直訳すると、in the coldつまり「寒さのなかに」、left out「置き去りにされる・取り残される」ということです。
そこで、「蚊帳の外に置かれて・仲間外れにされて・孤立して」などの意味になります。

また「村八分・仲間外れ」はostracism という表現があります。
「孤立した・隔離された」はreclusiveなどと言います。
例)reclusive country「孤立国家」

ちなみに蚊帳は英語でmosquito netです。蚊帳は蚊をよけるための網ですから、それがそのまま英語になったわけですね。


【おまけ】
一般に株式会社には、3つの機関[株主総会、取締役会、監査役会]があり、
そのうち会社の大きな方向性を決める最高意思決定機関が、会社のオーナーすなわち株主(stockholder)の集まりである株主総会(general meeting of stockholders)です。

取締役会(board of director)は、プロとしての経営管理者の実務的な意思決定機関です。
そして、監査役会(board of auditors)は代表取締役(representative director)をはじめ取締役ら(directors)によって適正に経営管理が行われているかをチェックする機関です。

このように、株式会社では、3つの機関が独立しつつ、相互に役割分担をしながら、ある意味ではけん制し合う関係を作り、それが経営に安定感を与えるように工夫されています。


なお、会社のオーナー(株主)は経営の大きな方向性だけを決め、後は経営のプロ(経営者)に任せるべきという考え方を「所有と経営の分離(separation of ownership from management)」と言います。バーリー&ミーンズ(米国の法学者Adolphe A. Barle, Jr. と経済学者Gardiner C. Means)が提唱しました。




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宮崎哲也著
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明日香出版社