2015年2月17日火曜日

「前途多難」って英語でなんて言う?

※ 前途多難である・多くの課題が残されている have a long way to go

【例文】
A stockholder had a brickbat for the internal control system, which has a long way to go in the crisis management.
ある株主が、危機管理の面で多くの課題を抱えているその内部統制システムを手厳しく批判した。

【だいじな表現】
have a brickbat for ~:~について手厳しく批判する  憎まれ口をたたく

【ネイティブスピーカーの発音】

【かいせつ】
A stockholder had a brickbat for~:ある株主が、~について手厳しく批判した

stockholderは、「株主」。shareholderと言うときもあります。
mostは、ここでは「ほとんどの・大部分の」という意味の形容詞です。

stockholderの集まりは、「株主総会」と言います。株式会社の3つの機関[株主総会、取締役会、監査役会]の一つです。これについては、最後に【おまけ】で解説しますので、ご覧ください。

have a brickbat forは「~について手厳しく批判する」。ここではhad~と過去形になっていますので「手厳しく批判した」となります。

brickbatは、もともと煉瓦(れんが)の破片のことですが、「侮辱・酷評・憎まれ口」などの意味もあります。なお、石やレンガなどの瓦礫(がれき)は、rubbleと言います。debris(デブリー)にも同様の意味がありますが、これは木の枝などの比較的やわらかいものの残骸(ざんがい:wreckage)を意味することが多いようです。


ちなみに「批判(非難)する」に関連した表現としては、次のようなものがあります。

●批判(非難)する
blast, censure, condemn, criticize, denounce, flame, impeach, reproach, tilt
●~を厳しく批判(非難)する
 take a swipe at, have(hurl) a brickbat at, upbraid
●~に非難の矛先を向ける
  point an accusing finger at


② the internal control system, which has a long way to go in the crisis management.:危機管理の面で多くの課題を抱えているその内部統制システム

internal control systemは「内部統制システム」のことです。これは、企業などの組織において違法行為や不正などを回避できるように組織全体で管理や監視などを行うための仕組み(システム)です。


whichは、関係代名詞で、which以下の節が、前のthe internal control systemを修飾(説明)しています。

では、whichの後をみてみましょう。
have a long way to goは直訳すると「長い道のりである」「まだ道半ばである」ですが、ここでは「前途多難である・多くの課題が残っている」という意味です。「前途多難である」を意味する他の表現としては、there is a bumpy road ahead , face a bumpy road ahead, a bumpy road lies aheadなどがあります。
逆に、「前途洋洋」を表す表現としてはoffering promising prospects とか、with a rosy futureなどがありますよ。

crisis managementは「危機管理」です。カタカナで「クライシスマネジメント」と言う場合もあります。

「危機管理」という意味の英語表現には、ほかにrisk managementもあります。

ただし、crisis managementがどちらかと言えば緊急事態が発生した後の処理に着目しているのに対し、risk managementは、緊急事態を回避するための管理に着目しています。


【おまけ】
一般に株式会社には、3つの機関[株主総会、取締役会、監査役会]があり、
そのうち会社の大きな方向性を決める最高意思決定機関が、会社のオーナーすなわち株主(stockholder)の集まりである株主総会(general meeting of stockholders)です。
取締役会(board of director)は、プロとしての経営管理者の実務的な意思決定機関です。
そして、監査役会(board of auditors)は代表取締役(representative director)をはじめ取締役ら(directors)によって適正に経営管理が行われているかをチェックする機関です。
このように、株式会社では、3つの機関が独立しつつ、相互に役割分担をしながら、ある意味ではけん制し合う関係を作り、それが経営に安定感を与えるように工夫されています。

なお、会社のオーナー(株主)は経営の大きな方向性だけを決め、後は経営のプロ(経営者)に任せるべきという考え方を「所有と経営の分離(separation of ownership from management)」と言います。バーリー&ミーンズ(米国の法学者Adolphe A. Barle, Jr. と経済学者Gardiner C. Means)が提唱しました。






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