2014年10月7日火曜日

「~に期待する」って英語でなんて言う?

※ ~に期待する   place expectations on

【例文】
Most stockholders may have placed expectations on the risk management abilities of the new CEO.
ほとんどの株主が新CEOのリスクマネジメント能力に期待したのかもしれない。

【ネイティブスピーカーの発音】


【だいじな表現】
stockholder:株主    
risk management:危機管理


【中学英文法によるかいせつ】
この文を分解して、それぞれを訳すと、こんな感じになります(↓)



 stockholder(s)は、「株主」。shareholderと言うときもあります。
mostは、ここでは「ほとんどの・大部分の」という意味の形容詞です。

stockholderの集まりは、「株主総会」と言います。株式会社の3つの機関[株主総会、取締役会、監査役会]の一つです。これについては、最後に【おまけ】で解説しますので、ご覧ください。

place expectations onは、「~に期待する」。placeはもともと「置く・設置する」などの意味です。

ここでは、may have placed…と推量を示す助動詞mayの後にhave+過去分詞(placed)の現在完了形になっていますので、「期待したかもしれない」という意味になります。


 risk management ability ofは、「~のリスクマネジメント能力」。

リスクマネジメントとは、組織としての損失を回避・低減するため、発生しうるリスクを日ごろから管理する活動全般を指します。リスクマネジメントに似た表現にクライシスマネジメント(crisis management)があります。これは、組織がクライシス(危機的状況)に陥った際、損失や被害を最小限にとどめるために行う管理や活動を指します。

組織を損失や被害から守るという点は共通していますが、あえて区別するなら、リスクマネジメントは、事故や災害が起きる前から行う活動で、クライシスマネジメントは、これらが起きた後に行う活動と言えます。

abilityは、能力や才能のことです。能力を意味する表現にはほかにcapacity, capability, competence power, prowess, talentなどがあります。

CEOは、Chief Executive Officerの略で、「最高経営責任者」のことです。
日本の「社長」や「代表取締役」などと同じような意味合いで使われます。


企業の役員は、アメリカの影響もあり、責任分担を明確にするため、「最高~責任者(Chief ~ Officer)」という肩書で呼ぶ企業が増えています。
ほかにも企業の役職者を示すときには、アルファベット3つを組み合わせた略号が使われることが多いので、表にまとめておきます。


     


【おまけ】
一般に株式会社には、3つの機関[株主総会、取締役会、監査役会]があり、
そのうち会社の大きな方向性を決める最高意思決定機関が、会社のオーナーすなわち株主(stockholder)の集まりである株主総会(general meeting of stockholdersです。

取締役会(board of directorは、プロとしての経営管理者の実務的な意思決定機関です。

そして、監査役会(board of auditorsは代表取締役(representative director)をはじめ取締役ら(directors)によって適正に経営管理が行われているかをチェックする機関です。

このように、株式会社では、3つの機関が独立しつつ、相互に役割分担をしながら、ある意味ではけん制し合う関係を作り、それが経営に安定感を与えるように工夫されています。

なお、会社のオーナー(株主)は経営の大きな方向性だけを決め、後は経営のプロ(経営者)に任せるべきという考え方を「所有と経営の分離(separation of ownership from management)」と言います。バーリー&ミーンズ(米国の法学者Adolphe A. Barle, Jr. と経済学者Gardiner C. Means)が提唱しました。

            



【今日のまとめとおさらい】



ためになったらシェアを!

See You(^^)/~~~

にほんブログ村 英語ブログ ビジネス英語へ

 
======================
本気で実務翻訳家を目指す人に耳より情報!
   ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 















宮崎哲也著
『はじめての「マクロ・ミクロ経済学」1年生』
明日香出版社