【１分で読める！】政治・経済・マーケティングトレンド: 「公益通報者保護法」って英語でなんて言う？

【今日のビジネス英語表現】

※ 公益通報者保護法 the Whistle-Blower Protection Law

【例文】

The cover-up acts could violate the Whistle-Blower Protection Law, which prohibits punitive actions that work against whistle-blowers.

その隠蔽工作は、内部告発者に不利となる懲戒処分を禁止する公益通報者保護法に抵触する可能性がある。

【ネイティブスピーカーの発音】

下記の赤いマークをクリックすると、ネイティブスピーカーの発音が聞けます。

【だいじな表現】

・cover-up acts：隠蔽工作

・punitive actions：懲戒処分・懲罰行為

・work against〜：～に不利に働く

・a whistle-blower：内部告発者

【中学英文法によるかいせつ】

この文を分解して、それぞれを訳すと、こんな感じになります（↓）

①cover-up actsは「隠ぺい工作」。concealment activityも同じ意味です。

②couldは、助動詞canの過去形ですが、ここでは、「～の可能性がある・～かもしれない」という推量の意味で使われています。

ちなみに、確からしさを示す表現には段階があります。絶対的なものではないのですが、一応の目安として覚えておくと便利です。よかったら参考にしてくださいね。

violateは、法律や契約などに違反したり、規則に従わないことを示す表現です。

あるいは、領海を侵犯する(violate territorial waters) や領空を侵犯する（violate the territorial airspace）などの意味で使われることもあります。

whistle-blowerは、もともと「内部告発者・密告者」などの意味ですが、ここでは、公益通報者つまり職場での不正を通報する人を指しています。

protectionは、保護することです。

Whistle-Blower Protection Actは、もともと米国で1989年に制定された法律（内部告発者保護法）で、日本では、近年、企業不祥事が急増したことなどを背景に、公益通報者保護法として2004年に制定、2006年に施行されました。
この法律は、企業などの不正を内部の人が告発しやすい環境をつくることと、告発者を解雇・降格などから保護することを目的としています。

③whichは、関係代名詞で、which以下の節が、前のthe Whistle-Blower Protection Lawを修飾（説明）しています。

では、whichの後をみてみましょう。

prohibitは「禁止する」、punitive actionは「懲戒処分」です。

punitiveは、「懲罰的な」という意味です。

「罰を与える」という場合は、mete out punishmentという表現があります。ただし、mete out は、賞や報酬を与える場合にも使えますよ。

retributionも懲罰という意味です。また、「報復・復讐・仇討（あだうち）」という場合は、vengeanceなどが使われます。

いずれにしても、公益通報者保護法とは、会社に不利な通報を行った社員等に対して、そのことを理由とした懲戒処分を禁止する法律です。

that以下は、懲戒処分の説明です。

work against～は「～に不利になる」。～の足を引っ張ることです。

誰の不利になるかというと、whistle-blower（内部告発者）です。

ところで、whistle-blowerのwhistleとは、笛のホイッスルのことです。

blowerは、「吹く人」という意味です。そう、whistle-blowerは、直訳すると「笛を吹く人」なんですね。