あって、ようやく上向きの兆しが見えてきた。
しかしそれまでは、長らく低空飛行を強いられてきた。
そんななか、順調に業績を伸ばしていたのが、
ユニクロなどのファスト・ファッションである。
ファスト・ファッションとは、有名人気ブランドが
先導して作ったファッションのトレンド(傾向)
を取り入れつつ素早く商品化を行い、低価格で
ファッション製品を提供するブランドあるいは
業態を指す。
日本発のユニクロに加え、GAP,ZARA、H&M、
フォーエバー21などの海外参入組も、いまや、
すっかり日本に定着した感がある。
最近のファスト・ファッションは、
大きく言うと2つの動きがみられる。
第一は、既存ブランドが、弟妹ブランドや超低価格
ブランドに注力していること。
第二は、アジア発のファストファッションブランドが
登場していること、である。
ユニクロを主軸として展開するファーストリテイリングは、
弟妹ブランドとしてg.u.(ジーユー)ブランドを構築し、
ユニクロをさらに下回る低価格帯の商品を提供している。
例えば、男性用Tシャツが590円、女性用Tシャツが
790円~990円、ショートパンツが990円といった具合である。
その他、海外ブランドについてもZARAはBershka(ベルシュカ)、
GAPはOLD NAVY、またH&MもWEEKDAY、MONKIといった
弟妹ブランドを展開している。
こうした弟妹ブランドが展開される背景としては、
景気低迷の感覚を消費者が未だ引きずっていることが
あげられる。
今年3月分の景気動向指数の速報値(5月発表)は、
景気の現状を示す一致指数が93.3と2カ月連続で
プラスとなり良好に推移しているが、賃金水準に
変化が見られない消費者層においては依然として
低価格志向が根強い。
しかも、ファスト・ファッションの定着により、
そこそこデザイン性や品質の良い商品が安価で
入手できることが知れ渡り、こうした低価格
ブランドの人気に拍車をかけている。
さらに最近は、・・・。
(次回の「ファストファッション最前線」 につづく)。