2014年9月16日火曜日

「主旨に反する」って英語でなんて言う?

【今日のビジネス英語表現】

※ 〜の主旨に反する     run counter to the main thrust of

【例文】
The ruling by the district court runs counter to the main thrust of the precedent established by the Supreme Court.
その地裁判決は、最高裁が確立した判例の主旨に反するものである。

【ネイティブスピーカーの発音】
下記の青いマークをクリックすると、ネイティブスピーカーの発音が聞けます。



【だいじな表現】
ruling 判決
thrust ぐいっと押すこと 要点
precedent 判例


【中学英文法によるかいせつ】
 この文を分解して、それぞれを訳すと、こんな感じになります(↓)


① rulingは、統治や支配、決定などの意味がありますが、ここでは「判決」を指します。
誰による判決かというと、byの後に来ているthe district court(地方裁判所)です。
ですから、直訳すると上の画面のとおり「その地方裁判所による判決」となりますが、簡潔にするため「地裁判決」と訳しました。

courtは「裁判所」。テニスなどの「コート」も同じ綴りです。
裁判所に関する表現は、次のとおりです。
a district court 地方裁判所
a high court 高等裁判所
the Supreme Court 最高裁判所
最高裁判所だけは、大文字表記が普通です。

日本の裁判の流れについては【おまけ】にまとめています。


 run(s) counter toは、「~に逆行する・反する・矛盾する」などの意味です。
counterは、反対あるいは逆のもの、という意味です。
ボクシングのカウンターパンチ(counter punch)やサッカーのカウンターアタック(counter attack)などは、相手が攻撃を仕掛けてきた際、その逆手を取って反撃する手法です。
動詞のcounterにも「反撃する・反論する」という意味があります。

main thrustは、「主旨」。thrustは、もともと、強く押したり、突き刺すことで、これが転じて、猛攻、推進、あるいは、要旨、主眼などの意味でも使われます。
precedent は前例や先例などの意味で、ここでは「判例」のことです。

establishは、学校や会社を設立(創立)することや、法律や規定などを成立させる、あるいは先例等を確立することなど、新しい物事を立ち上げたり、作り上げたりするときによく使われる表現です。
ここでは、established by~となっていますので「~によって確立された」と訳しています。

the Supreme Courtは、上にも書きましたが「最高裁判所」のことです。


【おまけ】
日本の裁判所では、通例、「三審制(a three-trial system)」によって審理を受けることが可能です。

一般的には、第一審(地方裁判所)、第二審(高等裁判所)、そして第三審(最高裁判所)という流れで審理が進みます。
ただし、上告(最高裁に提訴すること)した場合でも、必ずしも裁判が行われるとは限りません。最高裁判所に棄却(ききゃく)されることもあるからです。

棄却(dismissal, rejection)とは、裁判所が申立て等に「理由がない」として、訴訟を退けることです。なお、いったん確定した判決を明確な反証が出たことなどにより再び裁判することは、再審(retrial)と言います。

【今日のまとめとおさらい】
今回の文章は、比較的目的語が長くなっています。このような場合は、前置詞に注意しながら訳していくと意味を捉えやすいです。

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